「BANT」とは?営業ヒアリングで活用できる基本フレームワーク

法人営業のみなさん、「BANT」って聞いたことありますか?

もしかすると、中には聞いたことが無いという方もいるかも知れません。

しかし、見込み案件でこのBANT条件が揃っていないとまず受注は難しいでしょう。デキる営業になるには、マストで知っておいて欲しいBANTについて今日はご紹介したいと思います。

BANTを有効的に活用することで、営業が本当に購入する準備ができている見込み客に販売するためにより多くの時間を費やせるようになります。

それでは、説明していきましょう!

目次

BANTとは?

BANTとは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」の4つの頭文字をとったもので、営業担当者が見込み客の予算、購買決定権、製品・サービスの必要性、購入時期などから、それぞれの見込み客がどの程度フィットしているかを判断するためのセールスフレームワークのことです。

1960年代にIBMが発表した、B2B営業における古典的な見込み客の絞り込み方法です。

営業担当者は、BANTセールスフレームワークを利用して、見込み客を選別するための質問をすることができます。

BANTの定義と答えられるようにすべき質問は以下の通りです。

Budget(予算):見込み客はあなたの製品やサービスを購入する余裕があるか?
Authority(決裁権):組織内で購入の最終決定を下すのは誰か?
Needs(ニーズ):あなたが提案するソリューションは、見込み客のニーズを満たしているか?
Timeframe(導入時期):見込み客の購入スケジュールは?

営業チームは、見込み客が少なくとも3つの基準に対して肯定的な反応を示した場合、その見込み客を適格と見なすことができます。

このフレームワークの目的は、情報収集、リードの絞り込み、顧客のペインポイントの絞り込みにあります。営業担当者は、見込み客に台本通りの質問をするだけでなく、積極的な傾聴に基づいて価値を提供し、真の会話をする必要があります。

それでは、BANTフレームワークの4つの次元を深く掘り下げて見てみいきましょう。

Budget(予算):あなたのサービスに対して、見込み客はいくらまでなら支払ってもいいのか?

購買の意思決定において、お金は重要な要素になり得ます。どのような製品やサービスを販売するにしても、その価格は、見込み客がこの種の購入に割り当てる予算と適合していなければならないことは明らかです。

もちろん、商談を予算の質問から始めるのは微妙なところですが、信頼関係を築くことは非常に重要です。

この話題は、以下の様な間接的な質問を通して調査することができます。

質問例:

  • 現在、貴社の課題に対する解決策を行うに当たり、どれくらいの予算を想定されていますか?
  • 弊社は、我々のソリューションが年間X円の利益をもたらすと計算しましたが、これは貴社の期待値に近いものでしょうか?
  • このようなサービスをすでに立ち上げたことがありますか?どれくらいのコストで、どのようなROIが得られましたか?

Authority(決裁権):意思決定の妥当性を確認する人を知っていますか?

複雑なB2B営業では、購買の意思決定に多くの関係者が関わることがよくあります。

例を挙げてみましょう。

あなたの製品はビデオ編集ソフトです。あなたは、A社のコミュニティ・マネージャーと出会います。彼は、ソーシャルメディア上で使用する動画を毎日作成しています。そして、A社内でその購入を決定する権限を持っているのは、マーケティング最高責任者であることがわかりました。

そこで、あなたの目標は、あなたのサービスや製品によって影響を受けると思われる人たちをすべて探し出すことです。

以下の質問を参考にしてください。

質問例:

  • 当社の製品やサービスを利用するのは誰ですか?
  • 次のミーティングには、他の人も参加させたいとお考えですか?

より複雑な組織では、意思決定者を追跡するために、アカウントマップを作成することも有効です。

Needs(ニーズ):あなたの見込み客の課題は何ですか?

あなたのサービス・製品を必要としない企業に売れる可能性があると思いますか?

見込み客は、解決策を考える時間を取らずに、問題を特定したつもりになっていることがあります。あなたの役割は、見込み客の問題や課題を特定し、提案材料にすることです。

質問を参考に、見込み客の具体的なニーズを調査し、それに応じて提案をアレンジすることができるはずです。

質問例:

  • この課題については、いつから取り組みされて来たのでしょうか?
  • この課題に対処するために、現在どのような計画を立てていますか?
  • あなたの現在のビジネスの優先事項は何ですか?
  • 弊社のソリューションXは、御社のこの問題の解決に役立つとお考えでしょうか?

Timeframe(導入時期):見込み客はいつ決断を下す予定なのか?

BANTフレームワークの最後の構成要素は、タイムラインです。

あなたは、見込み客が予算を持っていること、あなたを選ぶかどうかを決定できること、そして最後にニーズが非常に現実的であることを知っています。しかし、担当者は来期になるまで決断することが出来ないというケースもあります。

もちろん、来週にクロージングできる案件と来年にクロージングできる案件とでは、同じ戦略はとれません。だからこそ、タイムライン情報を得ることは、見込み客がcold、warm、hotかを判断するためにとても重要なのです。

最優先事項のリードは、緊急の必要性を示しているホットリードであり、営業はそこに焦点を当てるべきです。

ホット・リードを手にすればするほど、制限時間内にミーティングを開き、クライアントに決断を促すなど、正しいセールス・アプローチでクロージングするのに時間がかかるようになるのです。

ここでは、このプロセスを導くための質問をいくつか紹介します。

質問例:

  • 今後、どのようなイベントに対して、当社のソリューションを導入したいとお考えですか?
  • 今後6ヶ月間の目標は何ですか?
  • 他のソリューションを検討されましたか?
  • 当課題に対して、いつまでに対応しなくてはいけないと言ったスケジュールは設けられていますか?

今日におけるBANTセールスフレームワークの活用方法

BANT方式は1960年代に広く採用され、現在もビジネスツールとして認知されています。

しかし、デジタルマーケティング、マーケティングオートメーション、そしてより一般的なWebの出現により、一部時代にそぐわない可能性が出てきました。そのため、このフレームワークにいくつかの手を加えることが必要です。

組織が変われば、販売も変わる

1960年代にBANTフレームワークがリードの認定プロセスを標準化する良い方法であったとすれば、現在では必ずしもそうではなくなってきています。

この方法は、適切に実行されないと、あまりにもKYな営業になりかねません。

商談をするたびに「予算はいくらですか?」と言いながら始める自分の姿が思い浮かびますか?

この方法論は、何が何でもで従うべきリストではなく、柔軟なフレームワークとして考えることが必要だと思われます。予算の話をする前に、リードのニーズを見極めることから始めましょう

また、見込み客はネットでの調査によって、必要と思われる製品やサービスの情報を大量に入手することができます。意思決定や購入という行為は、この調査の結果であることが多いのです。営業チームが見込み客と接触する頃には、すでに解決策が検討され、部分的にはすでに決定されている可能性があります。

このため、パーソナライズされた顧客体験を提供することが不可欠であり、見込み客に価値をもたらし、問題解決を支援することが目標にならなければなりません。

最後に、2000年代に入ってから、経営システムを共有化した企業が登場しています。その中では、各関係者が特定のプロジェクトの責任者であり、意思決定者です。意思決定は、もはやヒエラルキーに依存するのではなく、集団に依存するのです。

したがって、Authority(決裁権)の問題は、購買決定が誰によって行われるかよりも、どのように行われるかを問う方が良いです。

まとめ

如何だったでしょうか?BANTセールスフレームワークを活用することで、シンプルに見込み顧客の適格性を判断することが可能になります。以前ご紹介したMEDDICよりもシンプルなので、初回訪問では、まずはBANTを意識してお客様のヒアリングをすると良いかと思います。

是非、明日からの営業活動に活用してみて下さい。

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Source:IBM

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この記事を書いた人

某外資系IT企業に務めるアラフォービジネスマンです。日々、仕事も遊び(釣り・ゴルフ・サバゲー)も充実させるべく奮闘しております。これまで多くの方々との出会い、支えがあって今に至ります。まだまだ若輩ものですが、これからは少しでも皆様に還元出来ればと思います。

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