幸せの買い方

みなさん、お金で幸せを買えると聞いたらどうですか?それも、とても簡単な方法で。

ほとんどの人が、お金では幸せは買えない!と思っているか、そのように教わってきたのではないでしょうか?

今日ご紹介するマイケル・ノートン氏は、お金で幸せを買うことができるという興味深い研究結果を発表しました。この動画を見ることで、本当に幸せになることが可能になります。是非、御覧ください!

目次

幸せの買い方

日本語訳と英語

今日はお金と幸福について話したいと思います。多くの人がかなりの時間をかけてお金の増やし方や幸福感を高める方法を考えています。宗教や自己啓発本で目にする “お金で幸せは買えない”という言葉は、多くの人の心に響くものですが、今日は それが間違いだとお話したいと思います。(笑)

私はビジネススクールでこんな事をやっているのです。もし皆さんが、お金で幸せは買えないと思っているなら、それは適切なお金の使い方ができていないからです。そこで、いつもとは違う使い方をすることで、お金で幸せは買えるようになるかもしれません。幸せになるためのお金の使い方を話す前に まずはよくありがちな幸せにならないお金の使い方について考えてみましょう。

少し前にCNNが人は宝くじに当選するとどうなるのかという興味深い記事を載せていました。宝くじに当選すると素晴らしい人生を送れると思われています。この記事は人生がどう狂ってしまうかという内容です。実際どうなったかというと、当選者は全財産を使い果たして、借金を作ってしまい友人や会う人会う人がお金をねだってくるようになりました。それにより彼らの人間関係はめちゃめちゃになり、結果 宝くじに当たる前よりも借金の額は増え、友情は悪化してしまったのです。

 この記事で面白かったのは、読者が寄せたコメントです。彼らがすぐさま話し始めたのは、お金は幸せにつながらないということに気づかされたということではなく、”もし自分が宝くじに当たったらどうするか”という空想話でした。この中でかなり興味深い点が2つありました。まず「当選したら、ちょっとした山を購入してその頂上に小さな家を建てるよ」というコメント。 (笑)

また、「自分ならバスタブをお札で埋めて、そのバスタブに浸かって 超太い葉巻を吸いながらシャンペンをすするな」というコメント。更に悪いことに「それからその写真を撮って、光沢仕上げを施すんだ、それで 金を目的に近づいてくる相手には、その写真だけを渡してやるんだ」とも書いていました (笑)

相当数のコメントがまさにこういった内容でした。実際に 当選者はお金を手にすることで、非社交的になっていきました。お金は人生を滅ぼし、友人関係を壊すだけではなく、人を非常に利己的な性格に変えてしまい、私たちは自分のためにしか行動しなくなります。 お金で私たちが幸せを得られないのは、いつも自分のためにというお金の使い方が間違っているからかもしれません。そこで、人々がもう少し他の人のためにお金を使うようになったらどうなるのかと考えてみました。つまり 人付き合いを避けるのではなく、人付き合いを積極的に行なったらどうなるか。

実際にそれを確認する実験を行いました。何人かの人にいつも通り自分のためにお金を使ってもらい、他の何人かの人には、自分以外のためにお金を使ってもらいました。そして、実際に幸せになるかどうかを測定してみました。

まず最初のステップです。ある朝、 バンクーバーの ブリティッシュ・コロンビア大学で「実験に参加してみませんか?」 と学生に声をかけました。了承してくれた人には、その時の幸福度を尋ねてから封筒を渡しました。半数の封筒の中には使用例と一緒に「このお金を夕方5時までに自分のために使って下さい」 と書いてあるメモとお金を入れました。もう半数の封筒には 「このお金を夕方5時までに他の人のために使って下さい」 と書いてあるメモとお金を入れました。

渡した金額は事前に分けていたので、5ドルを受け取った人もいれば 20ドルを受け取った人もいます。その後は自由に過ごしてもらいましたが、彼らは指示通りにお金を使ってくれていました。 

その日の夜 参加者に尋ねました。「何に使い、今の幸福感はどうか?」 彼らが何に使ったかというと、まぁ 大学生なので 自分のために使った人の多くは、化粧品などに使っていましたね。他には 姪にぬいぐるみを買ったという女性や、路上生活者にお金を渡した人もいました。影響力が凄かったのはスターバックスですね。 (笑) 

大学生に5ドル渡すと、まずコーヒーのようです。スターバックスへまっしぐら。だけど自分のためにコーヒーを買った人もいれば、他の人のために買った人もいました。つまり、同じ買い物でも、一方では自分のため、もう一方では他の人のためでした。 その夜明らかになったのですが、 他の人のために使った人は幸福感が増し、自分のために使った人は変化なしということでした。別に彼らの幸福感が下がったわけではありません。

また、使った金額による影響もありませんでした。5ドルと20ドルではかなり違うように思えますが、実際いくら使ったかは関係ありませんでした。本当に肝心なのは自分のためにではなく、だれかのために使ったという事実なのです。このような実験を何度やっても同じような結果が出ました。もちろん、これはカナダの大学生の場合なので、世界の代表というわけではありません。彼らはかなり裕福で恵まれた環境にいます。

 これは裕福な国の人にしか該当しないのか、それとも世界中で当てはまるのか、ウガンダで同じような実験を行ってみました。カナダ人以外にもこの実験を行ったのです。お金を使った時のことを話してもらい、その時の幸福感を尋ねました。ウガンダでも 最近、自分か他の人のためにお金を使った時のことを話してもらい、その時どれだけ幸せを感じたかを尋ねました。すると驚くようなことが分かったのです。というのも、お金の使い方には、普遍性があると同時に、文化的な違いもあったのです。

例えば、ウガンダのある男性は、「気になっている女性に電話した」と言っていました。デートに行ったそうですが、まだ彼女を”落として”いないとのことでした。そして、カナダの男性です。とても似たようなケースです。「女友達を夕食に誘いました。そして映画を観に行って、早めに退館してから彼女の部屋に行ったけど… ケーキを食べて終わりました」 世界共通です。だれかのためにお金を使い、その人に優しく接するということは、何かを企んでいるのかもしれないですね。

だけど大きく違う点もありました。2人の女性について見てみましょう。カナダの女性のケースですが、だれかのためにお金を使った時のことを尋ねると、その女性は「母親にプレゼントを買い 渡しました」と答えました。とても素晴らしい行為です。知っている人にギフトを渡すというのは 良いですよね。

これをウガンダの女性と比べてみます。その女性の答えです。「昔の友人に会うと、その息子がマラリアに苦しんていました。お金がないその女性に病院代として渡しました。」 10,000ドルもの大金ではなく、現地通貨だったので、金額自体は実際微々たるものです。でも込められた想いは大きく違います。本当に必要な治療のため、文字通り命を救うための寄付です。最初の女性は、母親にギフトを買っただけでした。ですが、ここで改めて確認できるのは、幸福感を得るためには、お金の使い道よりも、だれかのために使ったという事実の方が重要だということです。 

これは本当に大事な点です。つまり、幸せを感じるためには、驚くべき使い方は必要ないのです。ちょっとした些細なことでも幸せを感じることができるのです。

これは僅か2か国のケースです。私たちはお金と幸福の関係を更に追求するため、あらゆる国々で調べたいと考えました。そこで、最近の選挙調査で有名な世論調査企業のギャラップ社からデータを得ました。そこには、「最近、慈善活動に寄付をしましたか」と「人生の幸福度はどれくらいですか」という質問がありました。そこからお金と幸福の関係を見ることができます。寄付をすることと幸福感の関係には、正または負の相関性はあったのでしょうか? 

この地図上では 緑色が正の相関性を示し、赤色が負の相関性を示しています。ご覧のように圧倒的に緑色が占めています。つまり、データがある中では、世界中のほぼ全ての国で慈善活動に寄付している人たちの方が、寄付しない人たちに比べて幸福度が高かったのです。

みなさん、真ん中辺りの赤色の国が気になりますよね。そこに触れない嫌なやつにもなれますが、実のところ、そこは中央アフリカ共和国です。勝手な想像もできますが、きっとなにか要因があるのでしょう。そのすぐ右下にあるのはルワンダですが、そこはくっきりとした緑色です。ということで、確認できるほぼ全ての国でだれかのためにお金を使うことで 幸せを感じているのです。

次に、職場ではどうでしょう。親しい人以外と過ごす時間が多い所です。私たちは複数の企業で同じような実験をしてみました。ベルギーの営業チームです。彼らはチームで働いていて、医師を訪れ医薬品を販売するのが仕事です。

そこで私たちは彼らがチームの一員として どれだけ販売しているのかを観察しました。カナダの学生と同様 あるチームには、 「自分のためにお金を使って下さい」と伝えお金を渡しました。他のチームには、「15ユーロを渡します。今週、チームメートのどなたかへのプレゼントなどに使って下さい。」 と伝え、お金を渡しました。

そして、自分のためにお金を使ったチームとチームを良くするためにお金を使ったチームを比較しました。ここに写っているピニャータ人形は、チームがお金をまとめて買った物です。みんなで叩くと中からお菓子が出てくるといった物です。

本当に他愛のないことですが、手に入れた15ユーロを自分のポケットに入れたり、自分用のコーヒー代にでも使ったチームとみんなで一緒になって何かを買って、グループで活動するといった向社会的な行動をとったチームとの 違いを見てみると、向社会的なチームは自分のためにお金を使ったチームよりもより多くの売上がありました。

考えられる1つは、自分のためにという通常のお金の使い道だと何も変わらないということです。そこから一切お金は増えません。仕事のやる気につながらないので、使ったら終わりなのです。しかし、15ユーロをチームメートのために使うと、そのチームの業績は大幅に上がり、金額以上に大きな利益を上げることができるのです。

多分皆さんはこうお考えでしょうね、これはとても良いことだけど、大変重要な社会政策に対しては上手く機能しないだろうなと。そこで機能することを証明しない限り、私の話は何1つ信じないと皆さんが考えてるのは、ドッジボール・チームについてですね。 (笑)

これは私たちがよく受けていた批判なんです。ドッジボール・チームで証明できないなら意味が無いだろうと。そこで 私たちはドッジボール・チームを探して、彼らに近づきました。 そして、また同じ実験をしてみました。

半数のチームには自分のために使うお金を渡し、もう半数のチームには チームメートのために使うお金を渡しました。自分のためにお金を使ったチームの 勝率は以前と変わりませんでした。お互いのためにお金を使ったチームは、様変わりしました。実際に、リーグ優勝をしたチームもありました。あらゆる環境、例えば、私生活や職場、スポーツ・サークルなどでもだれかのためにお金を使うと より大きな見返りがあることが証明されました。

つまり “もしお金で幸せは買えない”と思っているなら、それは使い方が間違っているのです。これは、この商品の方があの商品を買うより 幸せになれるということではありません。自分のために何を買おうかと考えるのは止めて、そのお金の一部でも 誰かのために使ってみてください。

この機会に是非紹介したいものがあります。主に低収入の公立学校に勤める教師のための DonorsChoose.org という非営利団体です。ここでは教師による様々な希望が出されています。例えば、 「ハックルベリー・フィンの本や 科学の授業で使うための顕微鏡を必要としています。」 といったものです。

そこで彼らのために私たちが代わりに購入すると、その先生や生徒たちから礼状が届きます。時には顕微鏡を使っている写真が届いたりもします。これは凄く感慨深いものです。ここのウェブサイトを訪れ 改めて考えてみてください。 「自分のためにどう使おうか」ではなく 「5ドルとか15ドルのお金で だれかのために何ができるか」と 最終的には使った以上に得られるものがあるはずです。ありがとうございます (拍手)

まとめ

  • 幸福感を得るためには、お金の使い道よりも、だれかのために使ったという事実の方が重要
  • 世界中のほぼ全ての国で慈善活動に寄付している人たちの方が、寄付しない人たちに比べて幸福度が高かった
  • 自分のために何を買おうか」と考えるのは止めて、少額でも良いから「誰かのために何ができるか」を考え、使う

ついつい自分のためにお金をどう使おうかと考えがちですが、そうではなく、誰のために何ができるかを考えて使うことで、その金額以上のなにかを得ることが出来るんですね。

まずは本当に少額でも良いので、是非みなさん誰のために何ができるか?を考えて使ってみましょう!これまでとは異なる感情と経験を得られるのではないでしょうか。

Source:TED: Michel Norton, How to buy happiness

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この記事を書いた人

某外資系IT企業に務めるアラフォービジネスマンです。日々、仕事も遊び(釣り・ゴルフ・サバゲー)も充実させるべく奮闘しております。これまで多くの方々との出会い、支えがあって今に至ります。まだまだ若輩ものですが、これからは少しでも皆様に還元出来ればと思います。

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